福岡で長年暮らしてきた、愛着のある我が家。
「これからも、この家で快適に暮らしたい。でも、冬はなんだか寒くて…」
「大きな地震のニュースを見るたび、うちの耐震性は大丈夫だろうかと不安になる」
そんな想いやお悩みを抱えて、リノベーションを検討し始めている方も多いのではないでしょうか。
しかし、いざ計画しようとすると「一体いくらかかるの?」「何から手をつければいいの?」と、次から次へと疑問が湧いてきます。
ご安心ください。この記事では、福岡の戸建てリノベーションにかかる費用相場から、今の時代に必須となった「性能向上(耐震・断熱)」のポイント、そして賢く活用したい補助金制度まで、建築の専門家が網羅的に解説します。
確かな情報と共に、あなたのリノベーション計画への第一歩を、ここから踏み出しましょう。
【目的別】福岡の戸建てリノベーション、費用相場の目安は?
リノベーション費用は、工事の範囲や使う材料によって大きく変動します。まずは、目的別の費用相場を掴んでおきましょう。
内装・水回り中心のリフォーム(50万円~500万円)
キッチン(50~150万円)、浴室(50~150万円)、トイレ(20~50万円)といった水回りの設備交換や、壁紙・床材の張り替えなどがこれにあたります。選ぶ設備のグレードによって費用は大きく変わります。
外壁・屋根など外装リフォーム(100万円~300万円)
家の寿命を延ばすために重要な、外壁の塗装や張り替え、屋根の葺き替えなどのメンテナンスです。足場の設置費用も含まれるため、ある程度まとまった金額になります。
間取り変更を含むフルリノベーション(500万円~1,500万円以上)
壁を取り払ってリビングを広くしたり、使っていない部屋を趣味のスペースに変えたりと、間取りから見直す大規模な改修です。一度スケルトン(骨組み)の状態にしてから作り直す場合は、費用も高額になります。
【重要】なぜ費用に大きな幅が?正確な金額は「住宅診断」で決まります
同じように見える工事でも、費用に大きな差が出ることがあります。その理由は、あなたの家の「今の状態」が違うからです。
例えば、床を張り替えるだけのつもりが、床を剥がしてみたら土台が腐っていた、など。目に見えない部分の劣化状況や、家の構造によって、必要な工事は一軒一軒異なります。
だからこそ、リノベーション計画の第一歩として、専門家による客観的な「住宅診断(インスペクション)」が不可欠なのです。
今の時代、リノベーションは「性能向上」が常識です
単に見た目を綺麗にするだけでなく、家の資産価値を高め、この先何十年も安心して暮らすために。「耐震性」と「断熱性」の向上は、今やリノベーションの常識です。
なぜ「耐震リフォーム」が必要?福岡の地震リスクとチェックポイント
福岡は比較的地震が少ないと思われがちですが、市内を走る「警固断層帯」など、複数の活断層が存在します。万が一の事態に備えることは、家を持つ者の責任とも言えるでしょう。
特に注意が必要なのは、1981年5月31日以前に建てられた「旧耐震基準」の住宅です。震度5強程度の揺れまでしか想定されていないため、大きな地震で倒壊するリスクが高いとされています。耐震診断を受け、必要に応じて補強工事を行うことを強く推奨します。
なぜ「断熱リフォーム」が重要?光熱費削減と家族の健康へのメリット
「冬の朝、暖房の効いたリビングから寒い廊下に出るのが辛い…」そんな経験はありませんか?家の中の急激な温度差は、心臓に負担をかける「ヒートショック」の原因となり、家族の健康を脅かします。
断熱リフォームは、この温度差を解消し、家全体を快適な温度に保ちます。さらに、冷暖房の効率が格段にアップするため、近年の光熱費高騰に対する最も有効な対策の一つ。快適な暮らしと経済的なメリット、両方を手に入れることができるのです。
【2025年最新情報】福岡市・福岡県で使えるリノベーション補助金まとめ
性能向上リノベーションには、国や自治体から様々な補助金が出ます。これらを活用しない手はありません。代表的な制度をご紹介します。(※2025年6月時点の情報です。申請の際は必ず公式サイトをご確認ください)
耐震関連の補助金(例:福岡市木造戸建て住宅耐震改修工事費等補助事業)
多くの自治体で、耐震診断や耐震改修工事に対する補助制度が用意されています。例えば福岡市では、耐震診断やその結果に基づく補強設計、改修工事の費用の一部を補助しています。お住まいの市町村の制度を確認してみましょう。
省エネ・断熱関連の補助金(例:子育てエコホーム支援事業 など)
国が主導する大規模な補助金制度です。断熱材の追加や高効率給湯器の設置、節水型トイレへの交換など、省エネに資する幅広いリフォームが対象となります。新築だけでなくリフォームも対象で、非常に人気が高いため、早めの情報収集がおすすめです。
補助金活用の注意点:申請タイミングと専門家のサポートが鍵
【最重要】補助金の多くは、「工事の契約前」に申請が必要です。契約後に知っても手遅れになるケースがほとんどなので、計画の早い段階で相談することが大切です。
また、申請書類は複雑なものが多く、一般の方が全てを準備するのは大変です。こうした補助金申請のサポート経験が豊富なリフォーム会社をパートナーに選ぶと、手続きがスムーズに進みます。
失敗しないリノベーション会社の選び方 3つのポイント
では、膨大な数の会社の中から、何を基準に選べばよいのでしょうか。
ポイント1:「住宅診断(インスペクション)」を資格者がしっかり行えるか
全ての計画の土台となるのが、正確な住宅診断です。建築士などの有資格者が、床下や小屋裏といった見えない部分までしっかりと調査し、客観的なデータに基づいて家の状態を報告してくれる会社を選びましょう。
ポイント2:家の構造(特に木造住宅)に精通しているか
特に木造住宅のリノベーションは、専門知識が問われます。家の構造を理解しないまま壁を抜いたり柱を動かしたりすると、耐震性が著しく低下する危険があります。その会社が木構造をどれだけ熟知しているか、歴史やルーツから見極めることも大切です。
ポイント3:補助金申請のサポート経験が豊富か
先に述べた通り、補助金を活用できるかどうかは、会社の知識と経験に大きく左右されます。最新の制度に詳しく、面倒な申請手続きを快くサポートしてくれる会社は、顧客に寄り添う姿勢の表れとも言えます。
まとめ:賢いリノベーションは「ご自宅の現状を正確に知る」ことから
リノベーションの成功は、カタログを眺めたり、費用を比較したりする前に、「我が家の今の状態」を専門家の目で正確に把握することから始まります。
家の強みと弱みを知ることで、初めて「どこに、いくらお金をかけるべきか」という、あなたにとって最適な計画が見えてくるのです。
信頼できる専門家に相談し、後悔のない、賢いリノベーションを実現してください。
「うちの場合は、一体いくらかかるんだろう?」
「耐震性が心配だけど、どこを見てもらえばいいか分からない」
そんな漠然としたお悩みや疑問に、建築士の資格を持つ専門家がお答えします。
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